iACP

あたり前に もしバナの ある世界

死は、必ず一度だけ訪れます。

人生の最期にどう在りたいか。だれもが大切なことだとわかっています。

でも、なんとなく「縁起でもないから」という理由で、話すことを避けてはいないでしょうか。

病をきっかけにして、みんなで今後の治療や療養について、あらかじめ話し合うこと。これをACP(Advance Care Planning)と呼んでいます。

ACPは、治療の選択だけでなく、一人ひとりにとっての気がかりや大切にしたいこと、そしていつか訪れる人生の最期をどう過ごすか、という幅広い内容を含む話し合いのプロセスです。

ACPは「患者さんやご家族が様々な苦難に対処し、それを乗り越えるための支援」そのものです。

人生において大切なこと

考えてみてください。

「何らかの病を患ってから」そのタイミングで本当に十分な準備ができるのでしょうか。

「何らかの病を患ってから」でなければ、何もできないのでしょうか。

「何らかの病を患う前に」もしもについて考えたり話し合ったりすることは、いけないことなのでしょうか。

「もしものための話し合い」=「もしバナ」

病を患う前から、人生の早い段階から、もしバナの機会を持てるように。
ひとりでは難しいこの話し合いの意義を、みんなで考えられるように。

縁起でもない話を、もっと身近に。
当たり前に もしバナ のある世界へ。

iACPはそのきっかけを提供します。

活動報告

代表・理事

蔵本 浩一

「もしも」を考え話し合うこと

元気なうちから「もしも」を考えたり話したりする。それ自体にどんな意味があるのか。大切な気もするけれど、本当に必要なのかはよく分からない。数年前までは私もそう思っている一人でした。

自分や大切な誰かの「もしも」を考え話し合うこと。2013年に医療者や地域に住む方々と「アドバンス・ケア・プランニングを考える」活動を始めて以来、これまでたくさんの方々の「もしも」に対する思いや考え方、価値観に触れてきました。その過程で私自身も少しずつ変わってきています。

私たちの日常において、「もしものこと」、いわゆる「縁起でもないこと」を話す機会はとても限られています。誰もが、なんとなくその類の話を避けて通っているうちに、時間は過ぎていきます。

いつ、誰と、どんなことを話し合えばいいのか。その話し合いに意義を感じるかどうかは人それぞれです。一様にアドバンス・ケア・プランニングを推奨するわけではなく、この「もしも」を考え話し合う意義を地域の方々と一緒に考える、それが私たちの活動の原点です。

私たちのプログラムやこれからの活動が、病の有無や年代・職種に関わらず、多くの方にとって「今をより大切に生きる」、そのためのきっかけになれば幸いです。

iACP共同代表

蔵本 浩一

原澤 慶太郎

縁起でもない話の先にあるもの

私たちは普段、周りのみんなも同じように考えているに違いないと思いがちです。でも実際に生や死について話し合ってみると、その捉え方や価値観はほんとうに十人十色です。

一方で、とても共感できる素晴らしい思いや在り方に出会うこともあります。「縁起でもない」とされがちな生や死について話し合うとき、私たちは人と「ちがうこと」と「一緒なこと」があることに気づきます。そして、どうやらみんな「平等に不確実」らしいということもわかってきます。

もちろん、縁起でもない話なんてしたくない、という選択も尊重されるべきです。でも生きていること自体の不確かさ、言い換えれば「等しく、予想することが難しい未来」と対峙していると感じられた時、もしかするとはじめて、穏やかに自分自身の在り方を考えられるのかもしれません。

ほんとうに大切なものは、とても身近なところにありそうです。縁起でもない話の先にあるもの。それは、不確かな世界にためらいつつも、そこに佇む一人ひとりの価値観や思い、在り方そのものです。言葉にして、話し合うことで、あたりまえの日常が少しだけ変わるとしたら、とても素敵なことではないでしょうか。

iACP共同代表

原澤 慶太郎

大川 薫

意思決定支援の日々から、未来を想う

多くの医療介護従事者と同じく、私も訪問診療の日々のなかで意思決定支援の一端を担っています。患者さんの意向に沿うために、状況に照らして治療方針や療養場所を探っていく毎日です。しかし、時には真夜中に自宅に赴き、急いで話し合わなければならないこともあります。

良かれと思った治療方針が過剰医療や治る見込みのない延命治療となり、却って本人を苦しめることなってしまう、これを避けることは必要です。しかし、それとは逆に、必要な治療を安易に差し控えてしまうのは本末転倒です。
ですから、話し合いのプロセス Advance Care Planningをなるべく早い時期から行っていくことが良いと考えられています。話し合いを通して丁寧に共通の基盤を創っていくことが、人生の最終段階 のみならず、より良く生きていくことに繋がるのではないかと考えています。

ただし、その時になってみなければわからない、もしもの時のことなど考えずに生きることを大切にしている方もいます。
もちろん考えない権利もありますし、意思決定では様々なバイアスがあることが知られてもいますから、Advance Care Planningを行わなければいけないというわけではありません。

私たちiACPの活動では、まだ自分の受ける医療や死を意識することが少ない若い世代も輪に入っていただいています。世代間でのコミュニケーションを促進することは、地域のストレスを軽減することになるかもしれません。

地域社会が個々の命の物語を尊重して送り出す、それを次世代に引き継いでいく。そんなことが今以上にあたりまえになっている未来のために、医療の立場から少しでも役に立てればと考えています。

iACP理事

大川 薫

iACPについて

iACP は様々な地域やコミュニティーにおいて、’もしバナ’の普及と実践の手助けをすることを、活動の目的としています。

iACPには、これまでの活動から得られた豊富な知識・経験・気づきがあります。ご依頼の趣旨に沿って、必要な情報をご提供します。

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